vol.12 牧文彦さん 社会問題を解決するデザイン レポート
2018.2.19 牧文彦(ビジュアルコミュニケーションデザイナー)
社会問題を解決するデザイン~自らが未来をつくり上げていくために~ 参加者9名
【振り返り】
①おさらい
振り返る前に牧さんのプロフィールをもう一度おさらいすると、
●株式会社イノセンス・・・「地球や人、他の生命を守るデザイン」をコンセプトに製品やサービスの企業開発をおこなうデザイン会社。
●株式会社アンウィーブ・・・身体障害者の方の新しい職域を創出する在宅就労を支援 。
●NPO法人Deep Peopleでは、
・Tomorrow for Japan・・・社会起業家育成。
・Tomorrow for Earth・・・留学生支援。
・スマイルデザインプロジェクト・・・人に社会に優しい人育て。
・未来価値創造大学校・・・若者の自立。
・ソーシャルビジョン・ウェルワーク・・・人に社会にやさしい会社づくり。
・福祉未来価値創造プロジェクト・・・福祉作業所工賃アップ
・EINSTEIN・・・個を育てる。
②牧さんの多様性
・・・事前に打ち合わせでは、これだけのプロジェクトをおこなっている牧さんにどの題材で語ってもらおうかとなりました。ですが、実際には牧さんの魅力を2時間という枠内で表現することは非常に困難でした。
正直言うと、今回は後悔の気持ちが大きかった会でした。参加された方のニーズを満たすことができなかったのではないか、他の題材で話してもらったほうが良かったんじゃないか、と会が終わった直後に感じていました。
しかし、おそらく、どの題材を選んでも、参加した皆さんの要望を満たすことは無理だったのではないかと今は感じています。それは言い換えれば、それだけ牧さんの魅力と多様性があったからだという強い確信があります。
③デザインのあり方
そんな牧さんに語っていただいた中で印象的だったのが、「デザインのあり方」でした。例えば100円で売られているペットボトルの水。自販機やお店で売られているペットボトルの水はなぜ100円の価値があるのか。それは、キャップだけやラベルだけでなく、キャップ・ラベル・容器、その他の要素がひとつになってこそ、はじめて「ペットボトルの水」という商品が生まれ、100円の価値が生まれ、対価を支払っても良いという消費者の購買意欲が生じるということ。
デザインとは、想いを形にする技術と言われていましたが、「想い」とは相手の気持ちであって受け取り手側のものではない。その相手の気持ちを「自分ごと」として感じ、形にするのが必要不可欠な要素で、そこに至るデザイナーさんの「努力」や「想い」を垣間見えたのは、デザインに無縁な僕にとって追経験できた良い時間でした。
(岡 博史)
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